globeのFACEの歌詞はヘンだぞ気を付けろ

小室哲哉さんが時の人となっていますが、大学生当時に流行ったglobeの曲で歌詞がヘンなのがあったよなーと思って調べてみたら『FACE』のことでした。

大人になった今あらためて歌詞を見てみると歌詞の理解力が上がったというか、省略されたてにをはとか行間みたいなものを経験で埋めることができたのでそこまでおかしくも感じなかったのですが、それでも相当ヘンです。『FACE』の歌詞は。

一言で言えば「20代半ばから後半にかけての(働く≒生きる)女性の孤独と悲哀」を歌ってると思います。それだけでも相当ヘン。

バス停で おしゃべりしている学生
明日の事は考えて もちろんいるけど
切実さは 比べようもない程明るい
あの人の胸には すぐ飛び込めない

 たとえば後半のこの部分。

一行目"バス停でおしゃべりしている学生"はまあ読んだまま。ただ、学生が視界に入って来るあたり「自分はもう若くない」という意識の現れでもあるように思います。

二行目"明日の事は考えて もちろんいるけど"というのも、普通に読めば明日の事を考えているのは学生で、おそらくその学生は自分と同じ女性である女子高生のこと。"もちろん"というのは女子高生をバカにはしてませんよということ。女子高生だってもちろん明日の事を考えてますよと。わざわざ"もちろん"という言葉を使うのは、自分が明日のことを考えているから。

三行目"切実さは 比べようもない程明るい"ってところ、「切実さが明るい」って日本語になってない気がしますが、文頭に「切実」という言葉をもってくることで自分の切実さが強調されていて、女子高生の切実さを「明るい」ということで我が身の切迫感悲愴感が強調されています。

で、この流れで唐突に"あの人の胸には すぐ飛び込めない"って来るんですよ。すごいですね。これ以上細かくは言いませんが、すんごくヘンだと思いませんか?

曲として聴いてると「私」の感情の移り変わりがすっと入って来るのもすごいですね。

"玄関のドアを 1人(!)で開けよう"というのも同じように唐突ですし、マーク・パンサーのラップ部分がさらなる混迷をこの曲全体に付与しているわけですが、この機会に一度じっくり『FACE』を歌詞を追いながら聴いてみてください。ヘンです。

 

 

追記・これを書いた後に『FACE』を歌詞を追いながら聴いてみたら、サビの"鏡に映った あなたと2人"の「鏡に映ったあなた」というのは自分(鏡を見ている私)である可能性に気付きました。むしろそっちが一般的な解釈??やっぱりヘンだ。